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2012/09/14 自民党総裁選挙 候補者所見発表演説会

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 2012年9月14日、自民党総裁選の所見発表演説会が東京・永田町の自民党本部で行われた。安倍晋三元首相、石破茂前政調会長、町村信孝元官房長官、石原伸晃幹事長、林芳正政調会長代理の5人の候補が、この順番で外交・経済問題などに関する持論を披露。エネルギー政策では、原発再稼動を容認する考えも示された。

■イントロ動画

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 安倍候補は冒頭で、5年前に突然の病気を理由に総理の職を辞したことを謝罪。「その後、どういう形で責任を取ればいいかずうっと思案し続けていたと」と明かすと、「身を挺して今のこの国難に立ち向かえ」との同志の声にこたえる形で、今回の立候補を決断したと話した。
 「日本の領土、領海、国民の命を断固として守る」と語気強めた。そして民主党政権の失策によって日米関係が揺らいでいると指摘。「米国の若い兵士が日本のために戦うということの意味を理解できなければ、同盟は維持できない」とし、日米関係の修復が急務との立場を強調した。
 また、集団的自衛権の行使を認めるよう憲法の解釈を変えることが必要だと力説。北朝鮮による拉致問題については、「国際的圧力をかけ裁判に持ち込むしかない」と発言した。
 高齢化が進む中での社会保障制度のあり方では、「できもしない給付を約束することは不可能」ときっぱり。「給付を確実なものにする強い経済を手に入れなければならない」と語った。
 経済政策に関しては、消費税を上げる前にデフレから脱しなければならない──と。政府と日本銀行の政策協調で実現する、思い切った金融緩和や、そのほかの有効策を総動員することが肝要と主張した。

 「祖国日本が国難にあるからだ」と立候補の理由を語った石破候補は、80年代バブル崩壊前の日本の好調は、冷戦構造に根ざしたパワーバランスと日本の高度経済成長の2つが、前提として存在していたとの認識を示した。そして「この2つの前提が崩れた時点で、自民党は従来のやり方を改めなければならなかった。が、“何とかなるだろう”との思いが、この私にもあった」と発言。「今まで正しいと思っていたことを変える勇気が必要だ」と訴えた。

 石破候補は、日本の独立を守ることを念頭にした、自衛隊や国家緊急事態をめぐる規定が憲法にないことが問題と指摘。「外交を進める上で、日本は何ができて何ができないかを把握することが大事」とし、外交も安全保障も高い理念だけでは上手くいかないと力説した。その上で「国家安全保障基本法との法律をつくる。厳格な文民統制の下で集団的自衛権の行使を可能とする。国を挙げて安全保障に取り組む」と表明した。

 社会保障は本来の機能を取り戻していかなければならないと話し、「本当に困っている人に給付が行き渡るようにすることが大切」とした。消費税増税に関しては、増税のための環境を整えることが大前提と述べた。

 さらには農業、林業、水産業の将来性にも言及。「日本の豊かな資源を生かすことができないのは、どこかに誤りがあるからだ」と話した。
 
 町村候補は「力強い日本をつくり、その日本を次の世代に渡していく信念で立候補した」と言った。この3年間はまさに国難だったとし、「この解決を民主党に期待することはできない」と強調した。ただ、自民党に対する信頼も十分に回復していない事実も認めなければならないとも。そして「こういう局面だからこそ、全国の党員とスクラムを組んで力強い日本を作り上げていきたい」と語った。

 政策面では、東日本大震災からの迅速な復興を最初に挙げ、原発(事故の処理)に関しては、国がもっと主導的役割を担うべきと強調。成長戦略では、「日本は科学技術立国であり、官民上げての研究開発で科学技術を強化していくことが日本の再生につながると確信している」と述べた。

 さらに、日本は“自然災害大国”であると指摘。国土の強靭化を進めていくことが必要であり、これが地域経済の活性化に役立つとの考えを示した。

 原発の再稼動については、省エネに取り組むとともに自然再生エネルギーの開発が重要としながらも、「原子力規制委員会が新たにつくる基準に基づいて、地元の理解を得た上で、順次再稼動できるところはしていくことが必要だ」と発言した。

 町村候補は教育にも言及。幼稚園や保育園での教育をもっと充実さなければならないと述べると、(日本の若者の)基礎学力の低下にも懸念を表明。「土曜日半日学校を復活させたい」と話した。

 「谷垣総裁は3党合意より確かなものにするために若い世代にバトンをたくされた」。石原候補はこう語った。

 外交についての議論では悪化する日中関係を話題にし、「日米関係をしっかりとしたものに戻さない限り、このような事態がこれから頻発するのではないかと危惧している」と述べた。

 石原候補は円高・デフレから脱却してアジアの成長を取り込むことが重要と訴えた。円高是税の具体策については、「為替政策は今の日米関係では協調は難しい」との立場。(中国や韓国などの)新興国通貨の米ドルとの連動も日本の輸出企業にとってはマイナス要因との認識を示すと、プラザ合意後の円高トレンドを引きながら、このまま連動を容認するわけにはいかないと主張した。

 デフレ脱却の方策は、金融緩和一辺倒では効果が薄いと指摘。デフレ脱却のカギは有効需要の創出にあるとし、「現在の4.5%程度の失業率が3%にまで下がれば、2%の物価上昇になる。4%まで下がれば、CPI(消費者物価指数)は上昇に転じる」と語った。自分が自民党のリーダーに就任したら、日本の全就業者数の1%に当たる60万人分の雇用を創出しなければならないと言った。

 国の安心・安全の面では、まずは被災地の復旧・復興であると強調。将来の大地震発生可能性も指摘し、防災国家の再生を進めていく考えを表明した。
 
 林候補は「日本経済を何とか再生させたい」と、立候補の理由を述べ、「無謀とも思われる総裁選に挑戦させていただく」とした。そして、今こそ落ち着いた政治が必要と強調すると、経済再生、外交の立て直し、そして何よりも東日本大震災からの1日も早い復興を成し遂げなければならないと語った。

 経済再生のためには大きな転換が必要との立場。従来の大量生産型の産業構造を、少量生産高付加価値型へとシフトしていかなければならないと訴えた。それには官と民で科学時術発展のための政策司令塔をきちんとつくることが大切──と。そして「世界で最も優れた技術を生み出す。2位では話にならない」と断じた。

 GDP(国民総生産)から、GDPに海外からの所得の純所得の受け取りを加えたGNI(国民総所得、)へと、日本の経済力を見る尺度をシフトすることが必要とも。「これからは日本人が国境を越えて、アジアでどうやって稼いでいくのかという視点に立つべきだ」。林候補は、中国とインド、ASEAN(東アジア諸国連合)には40億人の市場が開けると見ており、「その市場を積極的に取りに行くのも日本経済再生の重要な柱だ」と述べた。【IWJテキストスタッフ・富田】


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