6月16日に記者団に対し、中間貯蔵施設の建設について「最後は金目」との発言を行なった、石原伸晃環境相。福島県の地元住民から批判の声が鳴り止まない中、6月20日に首相官邸前で抗議行動が行われた。
首相官邸前では、石原環境相の「環境大臣としての資格」を問う声が、至るところで叫ばれた。
東海第二原発から直線距離で3キロ地点にある特別養護老人ホーム「常陸東海園」の理事長は、シミュレーションにより、原発事故発生時には「利用者を避難させることはできない」と結論づけられたと話した。また、日本の原子力発電による事故対策は、最後は全部人の手であり、「背筋が寒くなる」と批判。論理的に考えて東海第二原発の再稼働は「不可能」と訴えた。
福島第一原発からの報告者は、「あと9週間で汚染水は海洋投棄となる」と危機感を訴えるとともに、原子力災害対策本部長である安倍晋三首相については、「解釈改憲で遊んでいる場合じゃない」と痛烈に批判した。
オーストラリア・シドニーから参加したスピーカーによると、オーストラリアは世界第1、2位のウラン輸出国であるにも関わらず原発が一基もないのだという。そこへアボリジニの土地に放射性廃棄物投棄場が作られようとしている、と指摘。原発の流れは、「一カ所でも停止すれば全部が停止する」と、日本の原発再稼働反対運動との連帯を表明した。
農林水産省前の「斑点牛」の抗議行動の後、牛のオブジェとともに官邸前抗議行動に参加した、「希望の牧場・ふくしま」代表理事の吉沢正巳氏はスピーカーとしても登壇した。吉沢氏は「除染は既にデッドロック状態」であり、石原環境大臣は辞職すべきだと訴えた。
また、富岡町からの参加者は、除染により、町は二分されてしまったにも関わらず、環境省には「除染は無理だ」と言われたことを報告。「国民の税金を無駄にしている」と、国の除染の方針を強く批判した。
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